いちご狩り用観光施設(カフェ 兼 作業場)の建設がついに始まりました。
工事の工程表に「中野ストロベリーファーム新築工事」と記載があります。じ~んです。
最初に行う工事は浄化槽の埋設工事だそうです。当然と言えば当然ですが。
それから建物の基礎工事、給排水工事、土間工事の順番で工事が進んで行くようです。
今回の工事にあたり、一つだけ懸念事項がありました。
それは、今回建物を建てる土地が「埋蔵文化財包蔵地」に指定されている事です。
つまり掘ったら遺跡の出る可能性が非常に高い土地であるという事です。
何かが出たら当然工事は一時中断となります。
この辺は非常に危険(?)な地域で、ここからちょっと離れたところに、中大塚縄文時代敷石遺構という4000年前の住居跡が発掘されているのです。
縄文時代のご近所さんの家が、すぐ近くで見つかってしまった実績ありなわけです。
そして、私には心当たりがあるのです(ボソッ)。
この土地がまだ畑だったころ(つい最近ですが)耕運機で耕していると、度々土器らしきものが出土していたのです。
今までは、“作業に没頭していたのでまったく気が付かなかったな~”と思い込むことにしていたのですが、今回はそうは行きません。何しろお上に届け出済みの開発工事となっておりますので。
それでも、もし何かが出てきたら・・・
「そっと埋め戻しちゃおうかな~」
「工事担当の方に袖の下作戦かな~」
などという危険な思想がほんの少しだけ心に浮かんでいたのですが、見事に打ち砕かれました。
なんと、群馬県藤岡市教育委員会文化財保護課の職員の方が工事に立ち会い、埋蔵物の確認をしてくださるというのです。
かなり入念に、かつ熱心に現地を確認していただきました。
My道具までご持参いただいたようです。お勤めご苦労様でございます。
そして、案の定でちゃうんですよね~
まず最初に出たのは
江戸時代のかまどの跡。
一瞬ヒヤッとしましたが、江戸時代であれば、まだ時代が新しいのでセーフ!
あと50年すると遺跡認定でアウトなんだそうです。良かった。
安心したところで、江戸時代のご先祖様こんにちはと、挨拶ができました。
次に出たのが
浅間山天明3年の大噴火(1783年)の時に積もった火山灰の地層。
これは遺跡ではないのでセーフ。でも、ご先祖様怖い思いをしたんだろうな~と当時を偲びます。
工事は、遺跡の有無を確認しながら発掘調査をしているかのように、ゆっくり進んで行くのですが、群馬県藤岡市教育委員会文化財保護課の職員の方(長っ)が各時代の地層ごとに説明をしてくださるので、途中から教育番組を見ているようで楽しくなってきました。
それに、今回は自分のご先祖さまの痕跡を発掘していますので、非常に興味深く説明を聞いていました。
一瞬工事の事を忘れて・・・。(←ダメ。ゼッタイ。)
そしてついに出てしまうのです。
1500年前の地層から土器が!
ベタですが、本気でドキッとしました。
ああ、高輪ゲートウエイ駅周辺開発工事のように建設予定が大幅に遅れてしまうのかな~、でも、万が一観光施設の建設が遅れても、ハウスの建設は進んでいるのでいちごの栽培はできるな~などと色々な事が頭をよぎったのですが、どうやらこの程度の出土品は珍しくはないらしく、セーフとなりました。
1500年前のご先祖様こんにちはです。
1500年前って確か古墳時代ですので、当家の歴史は相当なものかもしれません。
「中野のじっちゃん、今年の米の出来はどうだい?」
「まあまあの出来だいね~」
などという会話が聞こえてきそうです。現代語に訳しておきましたが。
さて、1500年代の地層まではなんとかクリアできたのですが、巨大な浄化槽(10人槽)を埋設するには、さらに年代をさかのぼる必要があります。最低でもあと1000年ほど。
そして、我々は今回の工事における最大級の試練に遭遇する事になるのですが、この時はまだ誰も予想だにしていなかったのです。
土器が出てどっきどき~!などと笑いあっている場合ではなかったのです。
つづく
予告
「観光いちご園建設の試練。どっきどきの次はびっちゃびちゃ~!」をお楽しみください。
来たれ若人。人生は試練の連続でどきどきするぜ!(← この後、真っ青になるのであった)